父の思い出

sukiyakikko さん(神奈川県 26歳 )から頂いた投稿です。 家族編

 

 すき焼きといえば、父が食べさせてくれたすき焼きを思い出します。

うちの家族では、鍋をする!となれば必ず父が鍋奉行となり、
具材の投入から味付けまで、父が仕切るのでした。
自分はほとんど食べず、とにかく鍋の番人と化し、
とにかく家族の器にちょうど食べごろとなった肉や野菜を入れて回り、
「食べろ、食べろ」というのでした。
小さな頃からずっとそんな調子でした。

そんな父が、特別はりきった鍋を思い出します。
私が田舎から上京して数年後、年末に帰省した時にすきやきを食べさせてくれました。

「お前、東京で一人暮らししよったら、こんな肉たべれんやろ!
今日はかまん!思いっきりたべろ!!」
といって、いつも以上にはりきって鍋をしきり、
どんどん肉をつぎ込んでくれました。

ひさしぶりに食べた、実家のすき焼きは
本当においしかったです。

自分が食べることよりも、家族に食べさせることに夢中だった鍋奉行の父は、
去年の夏に急に亡くなり、もう二度と会えなくなってしまいました。

口下手で、不器用で、いかにも「昭和の親父」だった父。
今思い出すと、あの父の張り切りようは、
私達家族に食べさせることそのものを喜んでいたんだな、
久しぶりに帰省したことも喜んでくれていたんだな、
と、父なりに示してくれていた愛情を感じます。

 
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