すき焼きバンザイ

田村真穂 さん(東京都 52歳 )から頂いた投稿です。 家族編

 

数年前ちんやさんで25年来の男友達と十数年ぶりに食事をした。スカイツリーができ、浅草が賑やかになったから出てきませんかとの誘いに久しぶりの浅草訪問だった。
街歩きの後ちんやさんへ。久しぶりに会う上、個室で鍋をつつく事に初めは変な緊張感があった。少しお酒が入り、すき焼き鍋をつつきながら いろいろな話をするうちに、彼は少し傷ついた心の内をポツリポツリと話し出した。初めて聞く話に掛ける言葉が見つからない。 すき焼きのグツグツいう音と、あの肉の焼ける匂いと、立ち上がる湯気が しばしの沈黙を支えてくれた。あの日 鍋を挟みながらそんな話を聞き、それから 数年後 彼は私の夫になった。
彼の心をほぐしてくれたすき焼き鍋、あの日の食事がすき焼きじゃなかったら、ちんやさんじゃなかったら、私たちの人生は違っていたかもしれない。
すき焼きは小さい頃から何か幸せを感じさせる食べ物だった。家族の団欒や贅沢な気持ちや満たされた胃袋や…。
ちんやさんのすき焼きがくれたこの縁を大切に、これからずっと 肉に寄り添うネギのような旨味のある夫婦でありたいと思う。

 
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