すき焼きの歓迎会

いっちゃん さん(千葉県 70歳 )から頂いた投稿です。 その他編

 

私が就職したのは昭和40年6月16日。
大学受験勉強に見切りをつけ、就職しました。夜間大学と会社勤務の二重生活が始まりました。幸い、会社もみな親切な人が多く、そんな私を頑張れと応援してくれました。
二か月程経った頃、大学の授業のない日を選んで私の歓迎会を開いてくれることになりました。
その時代は、ご馳走といえば寿司かすき焼きでした。
私の勤務場所は東京都北区赤羽でしたので、赤羽のとあるすき焼き店と決まりました。私の心は食欲旺盛な年頃でもあり、すき焼きと聞いて嬉しくて、前の晩は眠れないくらいの興奮状態だったのを憶えています。
さて、歓迎会当日、昼食はぬいて夜の歓迎会のすき焼きに備えようと意欲(食欲?)満々です。私の新入の挨拶も上の空。いよいよ、すき焼きが運ばれてきました。
久しぶりのすき焼きの香り。ネギ、シラタキ、焼き豆腐と一緒に甘しょっぱいタレにすき焼き肉がふつふつと煮えてくる感触がたまりません。生卵を器に割ってつけて食べる幸せ。
美味しい!お腹いっぱい!
食べるほどに酔うほどになんだか眠くなってきました。
そこで大きな声!
その頃はカラオケなんてない時代。聞こえてきたのは上司、先輩達の大合唱。坂本九ちゃんの「幸せなら手を叩こう!」
日頃、真面目そのものといった上司まで、酒が入ると一人で踊りだしてしまう程陽気になってしまうとは驚きでした。こうして、ドンチャン騒ぎのうちに私の歓迎会もお開きとなりました。
二次会は、とある居酒屋へ。
もう、すき焼きでお腹いっぱいの私には、好きなビールもお腹に入っていきません。どうやって、家に帰ってきたのかさえ定かではありませんでした。
すき焼きを囲んで、歌や踊りで私を歓迎してくれた、上司や先輩達のやさしい顔が、すき焼きを食べるたびに走馬灯のように浮かんでは消えていきます。
すき焼きの歓迎会。
私の心の中のすき焼きは、いつまで経っても、懐かしいご馳走です。

 
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